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良いベンツ

今朝、繁華街でベンツを見た。

黒光りして、偉そうな、いかにもなベンツだった。

道は混んでいたが、ピカピカのボディは涼やかで、孤高の美しさを見せつけていた。

そこに、

ピーポーピーポー

救急車だ。

混んだ車線では思うように進むことができず、サイレンは焦燥感を帯びている。

その時だ。

あの自慢気なベンツが、自ら道を空けたのだ。

いかにもな高級車が道を譲ろうと自分の車に近づいてくるともうたまらない。

皆がぎゅうぎゅう、つめつめ。

あっという間に救急車の通り道が完成したのである。

力ある者が、困っている者のために、力を行使する様。

誤解されがちな孤高の美しさは、内から滲み出したものだったのだろう。

僕は心の中で拍手を送った。

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